遼金西夏史研究会 - Society for Liao, Jin and Xi-xia Studies

 

五胡十六国時代における五涼政権の興亡と河西回廊周辺の交通路の変容

峰雪幸人

 

五胡十六国時代は華北に複数の国家が乱立した時代であった。同時期の河西回廊にも、五つの国家(五涼と総称される)が興亡したが、そのうちの二つ(前涼・西涼)は漢族を中心とする国家であり、非漢族を中心とする国家が多く割拠していた当時の華北において、河西回廊は特殊な地域として見られてきた。

従来、これらの五涼政権が存立し得た要因としては、現地の豪族の成長とともに、地の利を生かした中継貿易による利益などが挙げられてきた。しかし五胡十六国時代においては、五涼政権にとって貿易相手となるべき中原もまた分裂と騒乱の中にあった。そのため、安定した中継貿易の利益を五涼政権が得られていたのかという点には疑問が残る。

そこで本報告では、五涼政権の興亡とその周辺勢力との関係を交通路の面から分析し、五涼政権と中継貿易の関係性と、周辺地域への影響について検討する。


 

 

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